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SUZUKI PALETTE TS

スズキ・パレット TS

ダイハツ・タントの成功を横目で見ていたスズキが、2008年1月末に満を持して
発売した新型車。外観的にはセールス担当者もタントそっくり、という感想を
抱かざるを得なかったというくらいよく似ている。その似通った車輌コンセプト
通り、その広さはどちらも軽自動車とは思えないほどで、小学生くらいの子供
なら、立ったまま着替えができてしまうほどだ。またパレットは低床化にも力を
入れており、専用設計となったプラットフォームとリヤサスペンションによって
車高では某車より低いのに、室内高ではわずかに上回っている。

ただ車室を目一杯広げた設計のため車重が重く、重心が高いという欠点も
同時に生まれてしまっている。そのためホイールベースを2400mmと長くとり
(他のスズキ軽では2360mm)、安定性を向上させている。タイヤ銘柄の特性か
グリップ感には少々の不足をおぼえるものの、左右方向へのふらつき感は
この手の車としては比較的よく抑え込まれている。

エンジンはツインカムターボながら出力より中低速での扱いやすさを重視した
仕様である。あえて小径の低過給ターボとすることで、低回転領域から
ターボラグを感じさせない力強い加速を見せる。さすがに多人数乗車時や
高速走行時にはやや力不足だが、その代わりに通常使用で12km/L程度
燃費性能と星3つ(平成17年排出ガス基準50%低減レベル)の排ガス浄化
性能を持つ。

唯一といってもよい欠点が航続距離の短さである。カタログ値では18km/Lの
性能があるので、満タン30Lならば500km以上無給油で走行できる計算に
なるが、実燃費が12km/L程度なので300kmも走れば給油しなければならない。
同程度の燃費性能でもエブリィが40Lのタンク容量を持っていたので、400km
少々の航続距離があったのに比べ、明らかに不足である。またダイハツの
タントはパレットよりもわずかに燃費性能がよいが、さらにタンク容量も36Lと
2割も多い。航続距離が違うであろうことは明らかである。せめてリヤデフや
プロペラシャフトが必要ない2WD車には、そのスペースを利用して大きめな
燃料タンクを装着してもらいたいものである。
※ただし、長距離走行時には、カタログ値に近い17km/Lを上回る燃費性能を実測した。
(車輌装備の燃費計の表示ではなく、オドメーターと満タン法による実測値)

出たばっかりの新型車ゆえの欠点も目立ってしまうが、乗り降りしやすい低い
床や、後席両側パワースライド&クローザー付きドア、明るいディスチャージ
ヘッドランプにオートエアコンと、使いやすい装備が満載である。またスズキ車で
初となるフロントシートサイドエアバッグとカーテンエアバッグの同時標準装備で
(カーテンエアバッグはTSグレードのみ)安全性能もずいぶん向上させている。
少々の欠点はあっても、まあいいかと思ってしまう、意外によくできた車である。

年式 平成20年式
車名/車両形状 スズキMK-21S/箱形
エンジン形式/弁機構/総排気量 スズキK6A型 4ストローク・サイクル水冷直列3気筒ターボ
(インタークーラー付き)/DOHC4バルブチェーン駆動/0.658L
エンジン配置/駆動方式 フロント横置き/前2輪駆動
クラッチ形式/トランスミッション(変速機) 3要素1段2相型トルクコンバータ(ロックアップ機構付き)/
遊星歯車式前進4段後退1段フルオートマチック
(登降坂変速制御機能付き)
サスペンション形式(前/後) ストラット式コイルスプリング/
ITL(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式コイルスプリング
スタビライザー形式(前/後) トーションバー式/-
主ブレーキ形式(前/後) ベンチレーテッド・ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤサイズ 165/55R14
全長×全幅×全高/車両重量 3400mm×1480mm×1730mm/940kg
乗車定員 4人
ボディカラー ブルーイッシュブラックパール3(ZJ3)

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