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SUZUKI SWIFT XG AERO

スズキ・スイフト XGエアロ

スズキ・スイフトは、発売前から『CONCEPT-S』『同S2』としてデザインを
公表していたものを2004年に発売開始したモデルである。もともとスズキの
このクラスの車は、軽自動車をベースに開発されることが多かったのだが
同社初の世界戦略車として販売するために、あえてコストのかかる専用
設計が行われている。車輌サイズもデザインに余裕度を持たせるため
特に車幅方向で大きめの1690mmに設定されている。この数値は日本の
自動車規格・いわゆる『5ナンバー枠』のほぼいっぱいにあたる。

ボディ剛性も先代スイフトに比してはるかに強化されており、新設計の
前後サスペンションと相まって節度感のあるハンドリングと直進安定性を
得ることに成功している。特に形式も改められたリヤサスペンションは
先代の弱点であったリヤの落ち着きのなさを解消し、乗り心地もさらに
高レベルなものに高めている。

そのサスペンション形式は、前はオーソドックスなマクファーソン・ストラット。
ただし、ロアアーム形状が先代の『I字』型から『L字』型にサスペンション
フレームを装備したものに変わり、剛性とともにステアリングの応答性を
格段に高めた。またリヤは新設計のトーションビーム式。先代のITL式に
比べて剛性が大幅に上がり、コーナリング中の安定感はもはや別モノと
言ってよい大幅な向上を果たしている。またリヤのロール変化もタイヤの
グリップ変化も穏やかなもので、ヘタに踏ん張りすぎて曲がるのをジャマする
ことのない見事なセッティングである。

駆動系は基本的に先代からのキャリーオーバーであったが、2007年6月に
マイナーチェンジを受けた際に、ATの前輪駆動車には1.2Lの新エンジンと
CVT(自動無段変速機)が新搭載された。これは年々厳しくなるヨーロッパの
炭酸ガス排出規制に対応したもので、カタログ値では軽自動車並みの
20.5km/Lの低燃費を実現している。CVTなので高音域のノイズが少々耳に
障るが、加速時には一般の有段ATのような変速ショックもほとんどなく
極めてスムーズな走りが可能である。

大型化・高剛性化の一方で車重は先代よりも約100kg増加して、ついに1トン
オーバーとなった。そのため日本特有の悪評高い自動車重量税がひとつ
上のクラスに上がってしまう弊害も生んだが、先のマイナーチェンジで
エンジン廻りの軽量化が図られ、前輪駆動車はちょうど1トンにまで
減量に成功、重量税も先代と同じになった。また車輌前部が軽くなったため
回頭性に限っては上位グレード『スイフトスポーツ』よりも素早い印象さえ
おぼえるほどで、きびきびとしたドライビングが可能になっている。

この車は特別装備品のうち、前後のエアロパーツのみ製造途中で装着せずに
仕上げてもらったワガママ仕様で、外観的には限定車とは分かりづらくなって
いる。その代わり、よく見えないところで設定がないはずのディスチャージ
ヘッドランプが装備されていたり、エンジン冷却液が黄色になっていたり
密かに油温計が装着されていたり、地味に手間がかかっている車である。

ちなみに余談ではあるが、先代に引き続き現行型も2005年からJWRC参戦
のベース車輌となっている。翌2006年には早くもチャンピオンカーとなり
スズキがラリーのトップカテゴリー・WRC挑戦のためJWRCのワークス活動から
撤退した2008年も、多くのラリードライバーたちに愛用され続けている。

年式 平成20年式
車名/車両形状 スズキZC71S/箱形
エンジン形式/弁機構/総排気量 スズキK12B型 4ストローク・サイクル水冷直列4気筒/
DOHC4バルブ(吸気側可変バルブタイミング機構付き)
チェーン駆動/1.242L
エンジン配置/駆動方式 フロント横置き/前2輪駆動
クラッチ形式/トランスミッション(変速機) 3要素1段2相型トルクコンバータ(ロックアップ機構付き)/
CVT(自動無段変速機)前進無段後進1段フルオートマチック
(登降坂変速制御機能付き)
サスペンション形式(前/後) ストラット式コイルスプリング/
トーションビーム式コイルスプリング
スタビライザー形式(前/後) トーションバー式/-
主ブレーキ形式(前/後) ベンチレーテッド・ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤサイズ 185/60R15
全長×全幅×全高/車両重量 3760mm×1690mm×1510mm/1000kg
乗車定員 5人
ボディカラー シュプリームレッドパール2(ZDF)

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